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フィードホン


フィードホンの役割
 フィードホンは電磁ホーンと導波管からできています。電磁ホーンは通常、内面に同心円状のギザギザ(コルゲート)を設けています。コルゲートの深さは使用波長の約1/4の深さになっています。こうすることで、コルゲートのエッジでリアクティブな表面を形成し、自由空間インピーダンスと導波管の特性インピーダンスを整合させ、アンテナ反射鏡面で集められた電波を効率よく導波管へ導くようにしています。
 一方の導波管は、電磁ホーンで集められた電波を効率よくLNBの受信エレメントへ導く役目をします。導波管の内径は使用波長によってほぼきまっています。使用周波数の下限をfc,導波管の半径をr,光速をCとすると
  fc=C/3.41r  となります。導波管内の電磁界分布は T11という基本モードになってLNBまで伝わります。

偏波とは
 [偏波]はフィードホンに限らず衛星テレビを理解する上で重要なことです。右の図は電波を模式的に表したものです。ある電波を一点で観測した場合、時間とともに電界の向きと大きさが変化しています。例えば1秒間に100万回の変化が繰り返される電波は1MHzの周波数の電波です。(10億回変化するのが1GHz ギガヘルツです。)
このとき電界が水平の方向に変化する電波を水平偏波と言い、縦方向に変化する電波を垂直偏波と呼んでいます。BSのようにグルグル回る円偏波もあります。
電波を受けるアンテナは、その偏波の方向(軸)と同じ方向にしないと、電波を受けることができません。

偏波角(SKEW)とは
 左図はPAS2/8,GORIZONT25,ASIASAT2/3Sを日本から眺めた様子を模式的にあらわしたものです。ここでPAS2/8やASIASAT2/3Sのように東や西に偏った衛星からの電波は、Sと示したように、その偏波軸が見かけ上ずれてしまいます。このずれた角度のことを"偏波角(SKEW)"といいます。次項の[フィードホンの取り付け角度]は、GORIZONT25のように偏波角がほぼゼロに近い衛星の場合を示していますので、西や東に偏った衛星を受ける場合はそれぞれ加減することが必要です。たとえばASIASAT2/3Sの場合は、フィードホンから反射鏡に向かって見て反時計方向に40度〜45度まわして合わせます。ポーラーマウント式のアンテナではこの必要はありません。

フィードホンの取り付け角度その1
 右の図は、フィードホンとLNBが一体になったLNBF(SPL-2410/2710)の取り付け角度を示します。このLNBFはLNB供給電圧を14V(13Vのチューナーもあります。)と18Vに切り替えることで、水平偏波と垂直偏波とを切り替えることができます。
 右の図は、サーボモーターで偏波を切り替えるフィードホン(SA-210)の取り付け角度を示します。チューナーが出力するパルスの幅によってサーボモーターを回転させて偏波角を変えることができます。(数字はパルス幅の一例です。)チューナーによっては多少異なりますが、ほとんどのチューナーは青で示した範囲を動かすことができます。この範囲内で余裕を持って垂直と水平を切り替えるためには、赤で示した範囲で使用することが重要です。そのためには目的の衛星の位置によって生じる[偏波角]に合わせて、フィードホンを取り付けなければなりません。

フィードホンの取り付け角度その2(円偏波)
 円偏波を受ける方法には、次の2つの方法があります。@コイルスプリングのような形をしたヘリカルアンテナを使う。Aフィードホンに誘電体板を入れて直線偏波に変換する。右図は、一例としてC/Kuポーラー付ワイドバンドSA-530をAの方法で使用する場合を示したものです。
内部の白い板が誘電体になっています。左がわのようにすると、水平偏波または右旋回円偏波が受信できます。逆に、右がわのようにすると、垂直偏波または左旋回円偏波が受信できます。
SA-210やGCL-9150Eのように偏波軸を切り替えられるフィードホンはすべて同様の考え方が成り立ちます。
円偏波と誘電体については、別ページに詳しく記載します。

      SA-530はKuバンドに対しては誘電体の
        効果はありません。


誘電体板の入れ方(その1)---円偏波受信
 円偏波を受信するためには、フィードホンの中に誘電体を入れて、円偏波を直線偏波に変換する必要があります。左の図はSPL-2410,SPL-2610,GCL-9150など、Cバンド電圧切り替えのフィードホンを、入り口から見た様子を示します。
導波管の中には、垂直偏波を受けるためのエレメントと、水平偏波を受けるための2つのエレメントがあります。これらのLNBは14Vで垂直偏波、18Vで水平偏波になるように、2つのエレメントを電子スイッチで切り替えられるようになっています。
この図のように誘電体を入れると、14Vで垂直偏波または右旋回偏波、18Vで水平偏波または左旋回偏波になります。


誘電体板の入れ方(その2)---円偏波受信

 左図は、ストレートフィードホンとLNBの組み合わせを、フィードホンの入り口から見た状態を示しています。
上の図のように、エレメントを垂直にして見たとき、誘電体板を左肩上がり45゚に入れたときは、左旋回偏波用となります。
逆に誘電体板を右肩上がり45゚に入れると、右旋回偏波用となります。


F/Dを合わせる
 左図はアンテナのF/Dとフィードホンとの関係を表したものです。
ピンクで表示した例は、アンテナのF/Dよりも大きい値をフィードホンに設定したばあいです。アンテナ反射面の1部分しか取り込んでいません。逆に赤で表示した例は、アンテナのF/Dよりも小さい値をフィードホンに設定したばあいです。アンテナ以外のところまで取り込んでいます。反射面の後方から直接飛び込んでくる雑音までも取り込んでしまいます。青で表示したのは整合されている場合です。
アンテナのF/Dとフィードホンに表示されているF/Dとを合わせことを忘れないでください。
プライムフォーカスアンテナへオフセットアンテナ用のLNBFをつけると、アンテナの中心付近だけ取り込みます。このときの有効な皿の面積は、1/3程度になってしまいます。120Cmプライムフォーカスアンテナが70Cmオフセットアンテナ以下と同じになります。

F/Dとは
Fは焦点距離、Dは直径をあらわします。つまりF/Dはお皿の浅い深いをあらわす値です。 F/Dが小さいほど深型の、また逆にF/Dが大きいほど浅型のアンテナです。一般にオフセット型アンテナのF/Dは0.6程度です。これに対し、センターフィードといわれるプライムフォーカス型アンテナは0.35程度です。 左図を使って焦点距離と直径を求めれば、F/Dは簡単に計算できます。
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